自分にとって一番よい先生とは
楽器の奏法はさまざまで、好む音も十人十色。
そして、その理想を掴むための方法もさまざま。
レッスンでは理想の押しつけになってはいけませんが、自分の考える理想はあります。その距離感をある程度保ちつつ、より本人の理想へ近づくためにどうすればよいかを一緒に考えていくのがいいかな。
ただ初心者の方は最初からこの方法はもちろん難しいです。ある程度無理なく音が出せるようになるまではある意味では「こうすると良い」というレッスンになりますね。その部分の割合は上達していくにつれて少しずつ減らしていき、だんだん本人の音楽的自立へと向かうのです。
つまりよくよく考えてみると、最終的には自分が自分にとって一番よい先生である必要があると思います。
どんな素晴らしい指導者や演奏者でも魔法の粉を振りかけてあげることはできないのです。このことはずっと音楽や楽器演奏に携わり、何人かの優秀とされている先生から教えを受け、取り組んできた私の実感です。
楽器演奏というのは終わりがなく、より良い表現をするため、より良い音を求め続けます。時にはつらく、苦しさを感じることもあるでしょう。
だから、なかなかうまくいかなくても自分を励まし、勇気づけてあげられる、そんなよい先生であり続けたいですね。技術的、精神的両方とても大事なことだと思うのです。